1956年
巨人を倒し、初の日本一!

西鉄の「野武士」たちが、日本シリーズで巨人を倒し、「日本一」の称号を初めて獲得した。 新人王を獲得した“鉄腕”稲尾和久やMVPと打点・本塁打王の2冠を獲得した中西太の活躍もあり、前年に苦杯をなめさせられた南海との優勝争いを制した。 西鉄、南海ともに貯金が40以上という凄まじいまでの高レベルの争いであった。

新加入した稲尾和久・畑隆幸は、前年にもまして力をつけた西村貞朗などと見事に融合し「投手王国」を築き上げた。異彩を放ったのが島原幸雄である。前年2勝2敗と全く活躍しなかった島原が、当時の日本記録である74試合に登板し25勝11敗という驚異的な成績を挙げる。島原には、自身に関するトレードの話や投手コーチとの意見のくいちがいから偶然投げたアンダースローへの“変身”があった。南海との激闘を制したのは好成績を残した稲尾和久とともに島原幸雄の“予想外”の活躍を見逃せない。リーグの打撃タイトルを総なめにした攻撃陣は豪快の一語につきた。

日本シリーズは、”知将”三原脩 にとって因縁の“名将”水原茂の巨人との初顔合わせであった。専門家たちの前評判を覆し、西鉄が4勝2敗で巨人を退け、日本一のタイトルを初めて獲得した。

取得タイトル

MVP
中西 太
新人王
稲尾 和久
首位打者
豊田 泰光
本塁打王
中西 太
打点王
中西 太
最優秀防御率
稲尾 和久

主力選手成績

打者

選手名 打率 試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁
中西 太 0.325 137 462 74 150 27 5 29 95 15
豊田 泰光 0.325 148 529 90 172 28 12 12 70 31

投手

選手名 防御率 試合 完投 完封 投球回 奪三振 失点
稲尾 和久 1.06 61 21 6 6 3 262 182 47
島原 幸雄 1.35 74 25 11 15 3 373 253 76
西村 貞朗 1.71 62 21 7 8 4 246 163 60

順位

順位 チーム
優勝 西鉄 154 96 51 7 0.646 -
2 南海 154 96 52 6 0.643 0.5
3 阪急 154 88 64 2 0.578 10.5
4 毎日 154 84 66 4 0.558 13.5
5 近鉄 154 68 82 4 0.455 29.5
6 東映 154 58 92 4 0.390 39.5
7 大映 154 57 94 3 0.380 41.0
8 高橋 154 52 98 4 0.351 45.5