1987年
投手力でリーグ3連覇

森西武2年目は、粒ぞろいの投手力でリーグ3連覇を達成した。日本シリーズでは、巨人を倒し、V2を達成した。

この年の西武を支えたは、他球団を圧倒する投手陣であった。MVPの東尾修、2冠の工藤公康に先発に復帰した郭泰源の先発3本柱に加え、松沼博久も復活し、66完投という驚異的な数字を残した。ストッパーには渡辺久信がまわり安定した成績を残した。

打撃陣は誤算が続いた。発端は、オープン戦での辻発彦の骨折である。不動の二塁手として活躍が期待されながら早々と戦線を離脱し、戦力ダウンは否めなかった。2年目清原和博も前半戦は低迷した。
前年、打率304、31本塁打と大活躍した清原であったが“2年目の壁”に悩み、前年MVPの石毛宏典も不振を極めた。

さらに、前シーズンオフのベテラン勢の引退、放出が重なってしまった。大田卓司が引退し、片平晋作、田尾安志を放出していたのだ。その中で、前年と変わらず堅実な成績を残したのが秋山幸二である。

3年目の田辺徳雄がショートに入ったのをきっかけに、ショートの石毛がサードへ、サードの秋山がセンターへとコンバートされていた。それでも秋山は、本塁打王を獲得する活躍を見せた。

チーム打率がリーグ最下位でありながらリーグ3連覇を飾ったのは投手陣の健闘以外の何ものでもなかった。

巨人との日本シリーズは、印象に残る熱戦となった。2年前、PL学園の「KKコンビ」として注目を浴びた西武・清原、巨人桑田真澄の対決が大きな話題となり、同郷同期のライバルであった西武・工藤、巨人・槙原寛己の対決も注目された。

しかし、同シリーズで最もインパクトが強かったのは、復帰していた辻発彦の走塁であった。第6戦、2死1塁から秋山の中堅左の安打で辻発彦は3塁を狙い、巨人のセンター・クロマティの返球が山なりと見るや一気にホームを陥れた。

球界の盟主に「野球の質」の違いを見せた1プレーであった。西武はこの試合で日本一を決めた。好調な投手陣とミスを逃さない野球。4度目の日本一は得るべくして得た成果と言えた。

監修:杉山茂(スポーツプロデューサー)

スローガン

「前進」

取得タイトル

最優秀選手
東尾 修
最多本塁打
秋山 幸二
最優秀防御率
工藤 公康
最高勝率
工藤 公康

主力選手成績

打者

選手名 打率 試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 盗塁
秋山 幸二 0.262 130 496 82 130 13 2 43 94 38

投手

選手名 防御率 試合 セーブ 完投 完封 投球回 奪三振 失点
工藤 公康 2.41 27 15 4 0 23 2 223 175 65
東尾 修 2.59 28 15 9 0 17 3 222 85 81
郭 泰源 3.02 22 13 4 0 11 2 158 81 56

順位

順位 チーム
優勝 西武 130 71 45 14 0.612 -
2 阪急 130 64 56 10 0.533 9.0
3 日本ハム 130 63 60 7 0.512 11.5
4 南海 130 57 63 10 0.475 16.0
5 ロッテ 130 51 65 14 0.440 20.0
6 近鉄 130 52 69 9 0.430 21.5